山茶花

2002年12月13日
 先日、知人宅から、山茶花の小枝を貰ってきた。
 白と、白と赤の混じったのと、二輪。
 小さな紙袋に入れて、電車に揺られながら持ち帰る。
 袋の口から蕾が顔を微かにのぞかせているのも、何だか嬉しい。
 どれに活けようかなあ、と手持ちの花器を思い浮かべながら家路に着く。
 
 
 帰宅後、コートを脱ぐのもそこそこに、一輪挿しに水を満たす。
 車内の暖気に当てられたせいか、まだ固かった筈の蕾がほころんでいる。ちょっと気が急く。
 小窓とテレビの上にそれぞれ飾る。部屋の中でその一角が、ぱっと華やぐ。
 気に入った角度を探して、写真まで撮ったりする。アホみたいだと我ながら思うが、まあいい。
 
 
 まるで、意中の彼女を初めて自室に招き入れた男の人のようだな、とふと思う。
 いや別に私は、そのうち取って喰ってしまおう、なんて企んでいるわけじゃないけれど。食用の植物でもないし。(論点はそこか?)
 ただ、その可愛らしさにうっとりと見とれてしまう様子がちょっと似ているかも、と思っただけで。
 
 
 あと、こんな寒い部屋で過ごしにくくないかな、とか気を揉んだりするところもそうか。まあ、元々屋外に咲くものだから、大丈夫だろうけど。 
 しかし、彼女が来る前ならば、ちゃんと部屋は片付けておくだろうから、その点は違うな。
 花の可憐さと、室内の状態との対比が凄い。掃き溜めに鶴、という言葉はこういう時のためにあるのかな、などと戯けたことを考える。
 とにかく年内にはきれいにしないと。

 
 まあ、際どい冗談やら、自室の散らかり具合はさておくとして。
 まずは、彼らのために美味しい飲み物でも作るとしようか。
 
 
 
 
 
 
(*)美味しい飲み物:
 煮沸あるいは汲み置きの後、炭で浄化した水のこと。美味しいかどうかは知らないが、何となく花によさそうだと思ってそうしている。
 本当は竹炭ごと花瓶に放り込んでおきたいところだが、一輪挿しは口が狭いため不可能なのである。何かよい方法は無いものか。
 

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