故郷にて、昔の仲間たちと会う。
 そんなに疎遠になっていたわけではない。その年にもよるが、年に数回、集いましょうという計画が持ち上がる。出身校の春の定期演奏会、それに夏のコンクールの時期、などなど、都合の合う人が顔を出す。現役生たちとは、今は面識すら無いという状態だが、卒業生である私たちは、それらの機会を口実にして(?)集まっている。
 
 
 今回は、年末である。前回が、海外に渡る人の送別会を兼ねての年始(2月だけど)の鍋、そして3月の演奏会だったから、およそ1年ぶりである。
 今の私はあまり気分的にも体力的にもよい状態ではないので、ちょっと心配ではあった。しかし、元々出無精な自分がここで引っ込んでしまっては、益々人との接触が無くなってしまう! と思って出ることにした。
 どちらかというと、人好きというよりは人嫌いな私だが、他者との交流を、これ以上は途絶えさせたくはないのだ。(このあたり、改めて私の身勝手さが浮き彫りになる。)
 
 
 結局、行ってよかった、と思った。
 皆、大幅に変わったとは、ぱっと見る限りではわからない。だが、話をしてみると、歳月はそれぞれの身に、多かれ少なかれ変化をもたらすのだな、としみじみ感じる。
 それは、私も例外ではない、のかもしれない。(そうであってほしいと願う。)
 
 
 
 
「もうこの歳になると、世の中にまみれて、汚くなってしまった部分もあるけどね〜」
と、友人のうちのひとりが、ぽろっと言っていた。
 でも、そういうふうに、口に出して言えるということは、そんなに「汚い」わけでもないんじゃないかな? と私は思う。少なくとも、発言を憚ってしまうほどに、他者への猜疑心を募らせたりしているのではないみたいだから。ちょっと、逆説っぽい言い方だけど。
 そんなふうに、つい言ってしまう彼女は、まだまだ幼さが残っていて(よい意味で)、何だか可愛いなぁ、と思っている私。でも、そう思っているということを、口に出して伝えようとはしない。
 
 
 こうして集まって呑みながら喋るのでは、相手の事情などを知るには不十分だろう。じっくりと腹を割って話をすれば全てがわかる、というものでもないが、そうでなければ尚更のこと、限界があるに違いない。
 しかし、それでも別に構わない。
 
 
 今のところは、まずは、この春の演奏会で会えるかな、会えればいいな、ぐらいに思っている。
 彼らの顔を見ることが出来ただけで、嬉しい。
 良くも悪くも、そう思う。

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