「返信不要」

2003年10月9日
 
 携帯宛に、ういろう氏からメールが届いた。
 どうやら、ウィルスに感染したらしい。で、隔離したから大丈夫だとは思うが、念の為注意しておくように、とのこと。
 そして、文末には、こう書き添えられていた。
 
 「このメールの返信は要りません」
 
 
 そうか、不要なのか。わかった。
 というわけで、何も返事をせぬままである。
 
 
 本来ならば、要らないと言われても、
「大変でしたね、お知らせありがとう」
と一言返し、いたわりと感謝の意を表すのが礼儀なのかもしれないけど。
 
 
 しかし折悪しく、そのメールを受信したのは、ちょうど寝込んでいる時だったのである。
 返信文を打ち込む気力など、ありもしない。
 なので、礼を失するようだが、体力回復を優先させた。
 
 
 * * * * * * * 
 
 
 思い出した。
 そういえば先月、PC宛に彼からメールが来ていたな。
 用件は、アドレス変更のお知らせ。その他の内容は、以前とさして変わり映えのしないもの。
「もしよければ、近況などを含めた返信を」
と書いてあったので、返信せずに放ったらかしておいた。(で、そのまま忘れていた。薄情。)全然よくなかったのだ、私は。
 
 というのも。
 …相変わらず、懲りない人だ、と、多少呆れていたのである。
 どうしてわからないのだろう。私があれほど、言葉を尽くして説明したというのに(*1)。
 「不快だった」「気に障った」と、はっきり書いたのに。
 
(*1)この日記に書くのが面倒になって、結局、枝葉末節にあたる部分のことしか、文章にしていないのだけれど。
 まぁ、「言葉を尽くした」などと言えるほどすごくはないのだろうが…。私の表現力なんぞ、大したものでもないし。
 
 
 もう、辟易していたのだ。
 一応は譲歩するかのような素振りを見せておきながら、その実、こちらに反省を促し理解を強要して、半ば無理矢理にでも融和を図ろうとする、彼の態度には。
 
 
 * * * * * * * 
 
 
 ん、待てよ。
 もしかしたら…、今回の携帯メールは、前回のPCメールに返信しなかったから、その催促も兼ねて送られてきたのだろうか?
 「返信は要らない」と記されていたのは、天の邪鬼な私の性質(*2)を見越してのことか? 「返事をくれ」と言われると途端に書く気が失せるから、逆に、不要と言えばよいかも…と。
 
(*2)そう、私は結構、天の邪鬼なところがある。過去にもそれで、何度か痛い目に遭っている(…とは、言い方が大袈裟だが。)
 
 
 …いや、やっぱり違うな。
 そんなふうに考えるのは、あまりに自惚れが過ぎるというものだ。そこまで返事を求められているわけでもあるまい。
 彼はただ、私にウィルスの被害が及ぶと悪い、とだけ思って知らせてくれたのだ。最後の一文は、私の負担(=返信せねば…、という義務感)を無くすべく書き足しただけだろう。
 そうだ、そうに決まっている。
 
 
 だから今は、感謝だけしておこう。
 返信無精になっている私にも、注意を呼びかける連絡をくれた、彼の律義さに対して。おかげで被害も無く済んだみたいだから。
 
 
 
 
 
 
 そして、彼にメールは送らない。
 
 

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