女子の嘆き

2004年1月31日
 しばらく前(1月下旬だったか)のM日新聞に、とある考古学者のインタビューが載っていた。
 彼は、発掘物の捏造か何かで、数年前に捕まった人。そういえば、よく掘り当てることから、「ゴッドハンド」とか呼ばれていたらしいが。
 
 で、そのインタビューの中に、
「考古学ボーイの夢を奪うようなことをしてしまって、申し訳無いと思っている」
というような内容の発言があった。
 
 …え? 何、その「考古学ボーイ」って。
 聞いたことも無いぞ。慶應ボーイなら知ってるけど。(無関係だろうそれは)
 
 
 何だか、がっかりした。ある意味、捏造そのものよりも。
 女子は眼中に無い、とでも言われているようで。
 いや、違うか。そもそも、対象外にしたという意識すら、ゴッドハンド氏は持ち合わせていないのかもしれない。
 何故って、その言葉は、あまりにすんなりと使われていたから。
 
 
 かつて、北の地の農学校で、
「青年よ、大志を抱け」
という先生からの励ましの言葉があった(元々は、"Boys,be ambitious."でしたよね? 違ったら教えて下さい。<なんて言っていていいのだろうか、私…。)が、あれは遥か昔のこと。
 けれど、今回の記事は、一瞬、その時代に戻ってしまったのだろうか…という錯覚をも、うっすら感じた。
 
 
 * * * * * * * 
 
 
 そういえば、ちょっと話題がそれるようだが。
 今更この話題を出すのも何だけど、この度の芥川賞に選ばれた作家について。
 
 ふたりとも、まだ二十歳前後。だから、若い女の人、ということで、特に注目が集まっているようだ。
 それ自体は、別に悪いことではないと思う。
 
 けれど。
 新聞の下に載っていた、とある男性週刊誌の広告を見て、再びがっかり。
 
 言うに事欠いて、彼女らを指して、
「ピチピチギャル(=この度の受賞作家のこと。)の楽しみ方」
だと。
 
 本当に、がっかりだ。
 所詮はそういう表現しか出来ない雑誌なのかな、と蔑むことで溜飲を下げようとしてみた(これもかなり、根性が悪いな)けれど、でもなぁ…。
 仲間内で盛り上がっているのではなく、印刷物という体裁をとっているのだから。(なんていう考え方も、出版に対しての幻想に過ぎないのかな。それに、「ピチピチギャル」は、もはや死語だろう…とも思ったが、論点はそこではないな、失敬。)
 
 初めから、そういう偏った見方をしてかかるのは、どうかと思うぞ。
 それはもちろん、賞の権威とかの話ではなくて。
「年端もゆかぬ娘っこが書いた」
と驚き、そのことのみにとらわれて、文章自体を見ようとしないのは、やっぱり哀しいことだ。
 
 …なーんて、作品を読むことすらしていない私が言えた立場でもないのかもしれないけれど。
 しかし、いくら何でも、そんな失礼な書き方は無いだろうに。
 
 
 
 
 受賞の翌日、地元紙(K都新聞)が、
「少なくとも、彼女らを徒にアイドル扱いしてしまうことだけは、避けなくてはならない」
と書いていたことが、せめてもの救い…と言っては大袈裟だけど、嬉しく感じられた。
 

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