これでさよなら

2004年4月17日
 今更ながら、正月の出来事を。
 
 
 * * * * * * * 
 
 
 恐れていた通り、ういろう氏から、年賀メールが来た。
 それも、パソコンと携帯の両方に。

 パソコン宛には、元旦に届いていた。
 ただ、私はちょっと事情があって、それを見るのが遅くなったのだが。
 そうしたら、数日経って、今度は携帯にも来た、というわけだ。

 2通も出すだなんて、何だか、ご丁寧だなぁ…。
 そう思いながらも、その頃はちょうど、自分の作業も佳境に入っていたので、それをよいことに、忙しさにかまけておくことにした。

 修羅場(って、大袈裟かな)が一段落した時期に、パソコン宛のメールの末尾をふと見やると、どこぞのURLが記されていた。
 何だろう? と思って飛んでみると、そこは、彼が作成・管理しているホームページだった。
 パスワード制のものではなく、誰が見てもよいらしい(そりゃそうか。第一、在処がメールの署名と共に記されているのだから)。なのでとりあえず、ひと通り閲覧させてもらう。

 ざっと見ただけでも、掲示板には、私の知らない名前(当然だけど)が幾つも並んでいる。色々な人の投稿で賑わっている様子だ。(参加者は数人程度だったが、一応は、広く門戸が開かれているようである。)
 そうだよな。交流相手は、私だけじゃない。よかったよかった。
 ならば、もう私に縋るような真似をすることは、無いね。
 心配なんて、要らなさそうだ。

 足跡は残さずに立ち去った。
 もっとも、それは、
「書き込みなどでの積極的な働きかけはしていない」
ということだが。アクセス解析やなんかでは、見抜かれたかもしれないな。
 けれども、それとて別に構わない。そんなものは、私の知ったことではない。もはや、どうでもよい。
 そして、それ以来私は、彼の許を二度と訪れていない。オフラインは言うまでも無いが、オンラインでも、もちろん。

 ここでさよなら。
 私は、彼から手を引く。
 ある意味、彼が怖い。

 自分のページに知人のホームページのリンクを貼るのに、
「許可はとっていないけど、きっと事後承諾で済むだろう」
と悪びれた色も無く言い、しかもそれを親しさの証だと思い込んでいる鈍感さが怖い。

 お節介を美徳と勘違いし、未だに、
「自分の周囲の人には皆幸せになってほしい。だから、そうではなさそうな人のことは気になるし、くちばしを差し挟みたくもなる」
と幼いことを書き散らして憚らない無邪気さが怖い。

 更には、
「酔っ払って記憶を失い、自分も知らぬ間に知人に携帯メールを出しまくっていた(そして、翌朝になってから履歴を見て、そのことに気付いた)」
という話を半ば嬉々として披露する神経が、怖い。

 いずれも、彼のページの記述と、それに対する私の感想である。
(原文ママではないけれど、内容の潤色はしていない。)

 親しき仲にも礼儀あり、と言っていたのは、他ならぬ彼自身のはずなのに。友人ならば、事前に断りも無くリンクを貼ってもいいのか?

 また、以前とは違って、それぞれが色々な事情を抱えている。その中には、他の人にはあまり言いたくないことだって、往々にしてあるだろう。それなのに、都合も知らずに干渉したがるなんて。
 他人の幸せを願うことは決して悪いことではない。しかし、だからと言って、手出し口出しが必ずしも適切だとは限らないだろうに。

 それに、酒のうえでの過ちだって、恥ずかしいものだ。そういう意識は、持ち合わせていないのか? 私だって多少の失敗はしているが(*1)、少なくとも、それを恥ずかしいと感じることは必要だと思うのだけど。

(*1)こんなことは自慢にも何にもならないが、私が酔っ払うのは、大抵、独りで飲んでいる時だ。あとは、たまに家族の前で、ぐらいか。幸いなことに、他人と飲んでいてつぶれたことは無い。(自制心が働いてくれるらしい。…ならば、独りの時も同様に気を付けろよ! と突っ込まれそうだが。)
 酔っ払うと言っても、独りでぐにゃぐにゃとして気分よくなっているだけだが。まぁ時には、嬉しくない副産物(=宿酔)が生じることもあるけれど、メールなどの迷惑は、もちろん及ぼしていない。
 ここで、私の日記の内容をきっちりと把握している人(なんて、殆どいないだろうけどな。何せ、本人ですら、厳密さには欠けるかもしれないし…)は、あれっ? と思うだろう。そう、私は今、自分が選んだ(かもしれない)パンの種類がうろ覚えになったという一件(←2003年9月の日記を参照)を、棚上げしようとしている。
 だけど、せいぜいその程度だ。周囲に与える害は、迷惑メールとは全然違うと思うんだけど。…五十歩百歩だとか言わないで下さい、お願いします。パンを買ったということ自体は、ちゃんと記憶にあったんだからさー。(とは、苦しい言い訳か?)

 * * * * * * * 

 ああ、そういえば。
 以前、彼は酒を飲んで私に電話を掛けてきたことがあった。
 その時には、さして深く考えもせず、別に気を悪くもせずに話し相手をしていたのだが。
 翌日になって、
「やあ、昨夜は酔っ払いの相手をごくろうさん
というメールが来た。

 ごくろうさん?

 ちょっとぞんざいな物言いだな、と思いつつも、そんな下らないメールにわざわざ返事をするのも面倒だったので、そのままにしておいた。
 すると、ほどなくして、
「もしかして、お怒りでしょうか?」
と、様子を伺うメールが届いたのだった。

 呆れた。
 きっと、私の不機嫌を恐れて、態度を転じたのだろう。
 それなら最初から、横柄な口調のメールなんぞ寄越すな、っちゅうねん。
 つくづく、気の小さい奴だ。

 * * * * * * * 

 そんなふうに言う私こそが、冷たすぎるのか。
 どちらなのかは知らない。
 ただ、自分が彼に振り回され、巻き込まれるのは、もう御免だ。
 彼は彼で、そういう振舞をも許容して受け入れてくれる人と交流をしてゆけばよかろう。
 どうやら私には、そこまで出来る度量は無さそうだ。

 だから、私はここでさよなら。
 これからはもう、私の生活には、入って来ないでね。



 程々の友好関係を築ければ…、などと頭の隅に思い描いていた私が甘かったわ。

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