ちゃんとした手紙とはがきが書ける本。
ISBN:4838783647 大型本 マガジンハウス マガジンハウス 2002/06 ¥980
内容(「MARC」データベースより)
手紙とはがきの基本の形はどうしても知っておきたい。言いたいことがちゃんと伝わる手紙とはがきの文例大事典や、書き出し・時候の挨拶・結び文の文例早見帖などを収録。特製ポストカード、封筒つき。


 またもや、ちょっと父の日の話題に絡めて書いてみる。

 父に出した葉書は、ピンクの薔薇の絵柄のものである。
 こてこてに甘い雰囲気(笑)で、家族以外の異性には出しにくいような(同性なら構わないけど)。だから、ちょうどいいかと思って使った。

 いや、理由は何もそれだけじゃないけどね。そういえば確か、父の日って薔薇を贈るんじゃなかったっけ? 記憶が曖昧だけど…。もう一方の、母の日がカーネーションというのは、しっかり覚えているのだが。父の日って、やっぱり影が薄いのか?

 話を元に戻そう。そういう甘ったるい感じの絵柄ならば、ある程度は規制を…と言っては大袈裟だが、相手によっての使い分けをしてもよいと思う。
 手紙に限らず、例えば深紅の薔薇だったら、(贈る側にも覚悟が要るかもしれないが、)受け取る側はもっと身構えてしまいそうだ。何か言外の意味が込められているのか、と。

 けれども。
 上に挙げたような極端なもの以外では、なるべく、変な規制を敷かないでほしい。
 というのも、便箋や切手の絵柄の組み合わせをあれこれ考えるのは、私の楽しみのひとつなので。
 だから、手紙のルールを紹介しているこの本に、
「女性から男性に宛てての手紙なら、きれいな模様や香りのある便箋は避けるべきでしょう。誤解を招くことになりかねません」

などと書いてある(※15頁の最後。)のを読んで、
「何を要らんことを言うてくれるんじゃ!」
と怒りを覚えたりもした。そんなことを、さも当然であるかのように語り、常識っぽくして広めてほしくはないなぁ、私としては。

 別にええやんか、男の人への手紙で、模様入りの便箋を使っても…。頼むから、そんなところで私の楽しみを奪ってくれるなよ。
 いきなり引用してしまうが、『花のような女』(6月26日の日記参照)の最終章「あなたに花束」で、著者はこう言っている。

「花は、気持ちを伝える小道具として使われることがある。
(中略)
 花言葉とかを参考にするヒトもいるかもしれない。でもあまりその意味にとらわれることはない。…きれいならいいんじゃない?
 そもそも花に意味を持たせるのは人の勝手で―――
 花の色、形、匂い、それらは自分の種子を残すための戦略にすぎない。花は花のために咲くのだ。
 それでも人は花に想いを込め、花を愛でる。花とヒト、ヒトとヒト、思い違い、すれ違いもある。それは気になるかもしれないけれど、
 どんな時でも花を贈られるとうれしいものだ。その素直な気持ちが大事。」


 そう、そうですよ、大田垣さん!
 彼女と握手したい気持ちになった。
 花に意味を持たせるのは、あくまで人の勝手。人間の側の都合。桜に武士道精神を重ねる、とかね。
 同様に、絵柄にも別段深い意味は無い。単に、相手の気持ちが和めば嬉しいな、という思いがあるだけなのだ。(時には、笑いを取れれば、なんて場合も?)

 憎からず思う人に書き送る際、あれこれ心を砕くのは、もちろん。
 でも、そういう仲だけが全てじゃないから。
 それ以外では色柄を極力抑えるべき、という強制は下らないし、あまりに味気無い。

 相手の性別によって分け隔てをすることなく、季節の薫りや彩りを手紙に添えたい。
 ただそれだけのこと。







 …なんて、暑中見舞もろくに出していない私が言えた立場でもないのかもしれないが。(弱気)

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