ISBN:4042695019 文庫 作山 宗久 角川書店 1996/06 ¥483
ISBN:4042695019 文庫 作山 宗久 角川書店 1996/06 ¥483
レビュー

出版社/著者からの内容紹介
「青春とは、ある期間ではなく、心の持ちかたを言う…。」温かな愛に満ち、生を讃えた彼の詩は、多くのトップビジネスマンに愛され続けたベストセラー詩集。(小川博之)

内容(「BOOK」データベースより)
年を重ねただけで人は老いない。理想を失うとき初めて老いる。困難の時代に生きた著者・ウルマンは、80歳という人生の頂に立ち、来たるべき死を自覚しながらもなお、理想を追うことの大切さを歌い続けた。温かな愛に満ち、生を讃えた彼の詩は、時代を超えて我々にさわやかな感動をもたらす。多くのトップビジネスマンに愛され続けたベストセラー詩集。

 
 

 別に私は、そんな大した理想や情熱を持っていたわけではないけれど。
 でも、少なくとも、加齢を闇雲に恐れることは無かったな。

 だから、自分の若さ(身体面の)を振りかざして、年上の人を蔑むことも無かった。
 そして、相手の未熟さや経験不足をあげつらって、年下の人を嘲ることも無かった。

 それには多分、個人的な事情の影響もありそうだけど。
 そんな、武器に出来るほどの魅力を持っているとは思えなかったし、それに、年齢の割に経験値(というか、達成度)が低めだ、という自覚もあるので。
(…ま、それらの条件を満たしていれば他者を見下す、とは限らないだろうけれどね。)
 どちらかと言うと私の場合、実年齢と今挙げた「達成度(≒経験値)」とが釣り合っていない、ということのほうが、劣等感を抱くけど。
 逆に言えば、釣り合いが取れていれば、それでよさそうだと思えるのだが、それは「持たざる者」の想像力の限界なのかな。

 そりゃ私だって、歳を取ることへの恐れはあるよ。深刻な老化に見舞われてはいるわけではないながらも、多少はね。
 けれども。
 思ったからといって、何の考えも無くそのまま口に出すのは、問題だろう。
 その物言いが、年上の者にとっては特に、どれほど傲慢に響くことか。たとえ冗談めかしたものだとしても。
 それぐらいのこと、考えられないのか?

 だからもういい加減、そんな言い方、やめてよ。

 日本では幼形信仰にも似た考え方がまだまだ強いし、若ければ多少の失敗は大目に見てもらえる、若くさえあればちやほやされる、ということもあるだろう。それが現実。
 でも、そんな傾向に迎合しているだけでは、恐らく事態は好転しないよ。

(話は多少脱線するが、ついでだから書いておこう。
 私は、自分の歳に合わせて年齢基準をずらす人が嫌いだ。
 自分が10代の頃には「ハタチ超えたらオバサン」と言い、20代になれば「30歳以降は…」、そして30代では「今の中高年ってまだまだ若いよね〜」、…というふうに。
 少しずつ言うことを変えて、自分を「ぎりぎりセーフ」の線にじわじわと持っていこうとする、そのせこい根性が気に食わない、ということだ。それは、「いつまでも若々しくあろう」とする気構えとは、似て非なるものだと思う。
 初めから一貫した主張を持つのは難しいけれど、上記のように極端な「若さ信仰」を謳うのならば、それなりの覚悟は決めておくべきだよね。その考え方によって遠からず自分が苦しくなる、ということぐらい、予見不可能ではないでしょう?)


 ナマモノとしての瑞々しさ、その恩恵に浴することの出来る時期も、ほんの僅か。
 その間に胡坐を掻いているだけで、後々痛い目を見ても、決して文句は言えまいに。

 どうして、歳を重ねることが、そんなにまで嫌がられるのだろう。
 そんな、お茶でもあるまいし、出涸らしになってしまうとは限らないでしょう?
 心掛けと過ごし方次第なんていうのは綺麗事、そんなの書生論だよ…と言われるかもしれないね。
 けれど、それでもいいじゃない。ただ過ぎ行く日々を嘆くよりは。
 
 
 
青春
           サムエル・ウルマンの詩より
 青春とは人生のある期間をいうのではなく
 心の様相をいうのだ
 年を重ねただけで 人は老いない
 理想を失う時に はじめて老いがくる
 歳月は皮膚のしわを増すが
 情熱を失う時に 精神はしぼむ
  人は信念とともに若く
  疑惑とともに老ゆる
  希望ある限り若く
  失望とともに老い朽ちる

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