キルトに綴る愛

2004年12月18日 映画
DVD ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン 2004/08/25 ¥1,575
 大学院生のフィン(ウィノナ・ライダー)は、卒論を仕上げるために祖母ハイ(エレン・バースティン)とその姉グラディ(アン・バンクロフト)が暮らす家にやって来た。祖母に家には女性たちが集まり、それぞれ思い出話をしながらキルトを作っていた。彼女たちの話を聞きながら、婚約者との結婚に懐疑的になっていたフィンの心も変わっていく。
 結婚へ踏み切ることに迷っていた主人公を軸に、キルトを作る年老いた女性たちの物語がオムニバスのように織り込まれていく。それぞれの女性たちの生き方、恋愛観を込めながら、一枚のキルトが仕上がる過程が美しい映像で描かれ、豊かな感動がある。見どころはなんといってもエレン・バースティンほか達者な出演陣。彼女たちが口にする含蓄ある言葉が静かに胸にしみる。若かりし日のウィノナ・ライダーの可愛さは絶品。女性向け映画ではあるが、男性にも充分感動してもらえるだろう。(茂木直美)


 映画の中で、パッチワークに準えた文言がある。
 うろ覚えだが、確か、こんな感じのものだった。

「若者は一枚布の完璧さを求め、
 年配者は小さなきれの調和に美しさを見出す。」

 なるほど。
 必然か偶然か、それすらもわからずに隣り合った切れ端にでも、それぞれに意味がある。そして、全体を形作っている。
(しかし、そうとは知りつつも…、それでもなお、まっさらな布に惹かれてしまうんだけど。♪猫はまだ、十六だから〜。…嘘です、二八の頃は、とっくに過ぎました…。歌謡曲の変な引用はやめましょう、猫またぎさん
 …なんて、改めて書くのも野暮だったか。

 ちょっとした綻びにも、同様のことが言えそうだ。
 巧く繕えば、装飾として糸を配した(つまり、刺繍だ)と思わせることも可能。
 時には、さながら刺子の如くに見事なものも、あるかもしれない。模様を描き出して、見る者の目を楽しませながら、布のくたびれを補強する役割をも果たすような。
 要は、裁縫の腕次第、ということである。

 でも。
 それがもはや「綻び」と呼べるようなものではなく、大きな裂け目になっていたら…。
 繕っても繕っても、次から次へとぼろぼろに破れていってしまったら…。
 そんな場合、どうすればいい?

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